30代、40代になると、「親の介護」という問題が突然起こる可能性があります。
病気や怪我などによって入院すると、しばらくして退院しなければならないくなり、そのまま長期的に介護が必要となるケースが多いのです。
どのような介護の形がベストなのか分からないまま介護生活が続き、無理をしすぎて心身を壊してしまう人も多かったりします。
そこでこの記事では、「親の介護を無理なく行う工夫」について解説していきたいと思います。
「親の介護は自分がしなければならない」と思い込む人も多い
愛する家族である親が突然要介護者になった時、多くの人は「自分で(配偶者や兄弟がいれば自分たちで)なんとかしなければ」と思い込んでしまいがちです。
老人ホームやグループホーム、ケアハウスなど様々な介護施設があることはなんとなくわかっていたとしても、多くの人が「介護を外部の人間に任せるのは無責任な気がする」と感じてできる限り親族で行おうと試みます。
しかし、事前に「親が要介護状態となったら○割くらいは自分たちで介護をしていく」と話し合って決めていない限りは、介護ができる環境は作れないものです。
急に仕事を大幅に減らすことは難しいですし、介護に関する知識もほとんどない状態で介護することになります。
そのため、多くの場合は介護に対する大きな問題が生じ、心身ともに疲弊したり自分たちの生活が壊れてしまったりするのです。
結論を先に言えば、いつか来る「親の介護」に向けてしっかりと計画を立て、できる限りの工夫をする知識を身につけておくべきです。
親の介護を無理なく行う工夫
それでは、ここからは親の介護を無理なく行う工夫を具体的に挙げていきましょう。
①兄弟に親の介護の一部を担当してもらう
もしもお兄さんや弟、お姉さんや妹などがいて、比較的近くに住んでいたとしたならば、親の介護の一部を担当してもらうというのも賢い方法だといえます。
しかし、実施には「親の介護に参加して」と言ったとしても、「仕事が忙しくて」「長男が責任もって対応すべき」など様々な理由をつけて参加しないケースも多かったりします。
親の介護は決して長男だけの義務ではなく、兄弟全員の義務となるので、しっかりと説明をして協力を仰ぎましょう。
説得する際には、シンプルに「参加して」とお願いするのではなく、「介護の現状」を書き出して負担の大きさを知ってもらい、「介護の項目ごとに分けて参加できる項目を選んでもらう」といった方法がおすすめです。
介護の全体像とやるべき項目が理解できれば、格段に参加もしやすくなるはずです。
②介護保険範囲外の有料支援サービスを利用する
親が要介護者になったとしても、介護保険を利用してすべての介護サービスを受けられるわけではありません。
要介護度が「要支援1」の場合は、週1回の訪問型サービスや月2回の施設への短期入所などしか利用できませんし、「要支援2」の場合は週2回の訪問型サービスや月2回の施設への短期入所、福祉用具貸与などしかできません。
これが「要介護1~要介護5」というように要介護度が高くなれば利用できる介護サービスは多くなりますが、それでも介護保険で対応できない部分も多いものです。
また、介護保険を使ってホームヘルパーに生活支援をしてもらう場合でも、法律で「簡易な掃除はできるけど、網戸の掃除はやれない」と入ったことが決まっていて、意外と介護保険でまかなえない部分が多いことに気が付くはずです。
親の介護を無理なく行うには、そうした介護保険外の生活支援を行ってくれるサービスを利用するといった方法がおすすめです。
「高齢者向けの介護保険外の生活支援サービス」は、ネットで調べると見つけられるはずです。
③行政サービスを利用する
介護保険で対応できることや兄弟の協力、そして介護保険外の有料支援サービスなどを利用するだけでもかなり広い範囲のカバーできますが、無理なく介護を進めていくにはなるべく多くのサービスを利用すべきです。
各地域の行政サービスでは、独自に高齢者支援サービスを行っています。
紙おむつなどの介護用品の女性や寝具の洗濯、乾燥といった様々なサービスが格安で行えることもあります。
行政サービスを利用しなるべく安く介護に関連する費用を安くすることで、経済的に介護保険外の有料支援サービスも利用しやすくなるはずです。
まとめ
今回は、「親の介護を無理なく行う工夫」について解説してきました。
突然親の介護がスタートすると、心身と経済的な負担が一気に増えます。
そうならないためにも、事前にしっかりと計画を立てておくべきだといえるでしょう。
親に介護が必要になるその時に備え、ここで挙げた「兄弟に親の介護の一部を担当してもらう」「介護保険範囲外の有料支援サービスを利用する」「行政サービスを利用する」といった工夫をしっかりと行動に移せるようにしておきましょう。